疲れやすい体をつくる食べ物・改善する食べ物

疲れやすい体と食べ物

寝ても寝ても疲れが取れない・・・。
休日に趣味や運動なんてもってのほか・・・。
大人になると、仕事や家事に追われて疲れがたまる一方ですが、これは日々の忙殺だけが理由ではありません。毎日の食生活、大丈夫ですか?食事を整えることで本来の体がもつ快活さを取り戻していきましょう。

1、疲れやすい体をつくる「食べ物」と「食べ方」

疲れやすさと食べ物は密接に直結しています。ここでは、疲れやすさにつながる食べ物と、さらには体を疲れやすくする食べ方についてみていきましょう・

【疲れやすい体をつくる食べ物】

●脂っこいもの

体を疲れさせる食べ物:揚げ物

油を多く含むものには要注意です。油の過剰摂取は、体内で排出処理できずに、内臓を疲弊させます。また、体内に蓄積されることになり、体は重く、さらに疲れやすさを増します。
油は、体にとっては必要なものではありますが、酸化しやすいという特徴を持つため、質には十分気をつける必要があります。調理されてから時間が経過した揚げ物などの油は、酸化が進んでいて、体にとっては大きな負担となります。揚げ物大好き!という方は、

  • 週に1回まで
  • 食べるなら自宅で揚げたてをいただく
  • 油は高温になると酸化のスピードが加速するため使い回しはしない
  • スナック菓子にフライドボテト、とんかつ、ラーメン、など油っこい食事のオンパレードは避ける

などの工夫も必要です。

●ジャンクフード

体を疲れさせる食事:ジャンクフード

ジャンクフードには、油がたっぷり使われています。酸化してしまった油を大量に摂取することは、内臓を疲弊させ、余分な脂肪を体に蓄積させる、悪さをする以外にありえません。

  • 食べる時は思いっきり楽しむ!
  • しかしながら、野菜も一緒に摂取する
  • 食べ過ぎに注意する

など、できることを少しずつ取り入れていけるようにしましょう。

●過剰な間食

体を疲れさせる食べ物:甘いもの

間食には、油や糖質が多く含まれます。油の過剰摂取は上記の通りですが、甘いものに多く含まれる糖質も、体を疲れやすくする食べ物の代表格と言えます。
過剰に間食をすることで、糖質を一気に摂取すると血糖値が急上昇します。異常に上がってしまった血糖値を下げるために、内臓からはインシュリンというホルモンが分泌されます。これで血糖値は下がるわけですが、このインシュリンを分泌するために内臓が働かなければいけないため、間食をするたびに内臓を酷使することになるのです。内臓を酷使することは、目には見えないことですが、体にとってはとても大きな負担となり、体を疲れさせる原因になります。
一気に、間食をしないこと。1日の中で、何度も血糖値を上げることのないよう、空腹時間もしっかり確保することは重要です。

【疲れやすい体をつくる食べ方】

●暴飲暴食

体は、食べ物が胃の中に入ってくると、すかさず消化しようと消化液を分泌始めます。胃腸も蠕動運動をすることで、食べ物の消化を手伝います。つまり、食べ物が入って来ればくるほど、その量が多ければ多いほど、体の中の動きは大忙しに。これは体を大きく疲弊させます。それが私達でいう「疲れやすい」という体感になって現れるのです。
昔から「腹八分目」とはよく聞きますが、これは内臓疲弊を考えた、理にかなった昔からの知恵だったのです。

●冷たいものの過剰摂取

私達の体内は、常に体温を一定に保とうと、つねに熱を作り出しています。
ところが、冷たい食べ物・飲み物ばかりを好み摂取を繰り返していると、冷たいものを摂取するたびに、内臓が一時的に冷やされてしまうのです。冷やされた内臓は、体の機能によってまた通常の温度を取り戻そうと熱が産生されます。これは、当たり前の体の働きでもありますが、やはりエンジンをふかしすぎた車が故障しやすくなるのと同じ現象が体にも起きるのです。

また、冷たいものを取りすぎていると、自律神経のバランスも崩すため、より疲れやすさを感じやすくなっていきます。
室内での飲み物は温かいものを選び、食事にも、汁物など温かいものを取り入れるようにしましょう。

2、疲れだけじゃない!食べ物がもたらす体への影響

食べ物が体にもたらす影響は疲れやすさだけではありません。疲れやすい体質の人は、他にもたくさんの不調を抱えていることがほとんど。疲弊した体が、他にどんな不調を生み出してしまうのかチェックしていきましょう。

●便秘

疲れやすい体とは、内臓の疲弊が大きく関係しています。疲弊した内臓は、うまく働くことができないため、腸の動きも悪く、便秘を引き起こしやすくなってしまいます。暴飲暴食を改め、適量の食事をすることで、内臓への負担が大きく減り、胃腸も正常に動いてくれるようになるので、徐々に便秘も改善していくことが期待できます。

●ニキビ肌

油を過剰に摂取すると、処理できなかった分の油は皮膚から排出されようとします。特に大人になってからのニキビは、油分の多いスナック菓子やチョコレート、ジャンクフードの食べ過ぎによるものばかり。一生懸命、ビタミン剤を飲むより、食べ物から油の摂取を控えた方が根本的解決となります。

●むくみ

塩分の過剰摂取は、体に水をためこみやすくするため、むくみを引き起こします。暴飲暴食をしていたり、ジャンクフード・外食が多い食生活の人は、知らずと塩分を多めに摂取してしまっているため、むくみを起こしやすくしているといえるでしょう。
また、体にむくみを引き起こすのは、実は塩分だけではなく、糖分にも言えます。しょっぱいものはあまり食べないけれど、甘いものが大好き!という方も、むくみやすさでお悩みの方は多いのではないでしょうか。
むくみには、塩分も糖分もほどほどに。ということですね。

●体重増加

暴飲暴食を繰り返していたり、間食が多い食生活を続けていると、当然のことならがら体重増加は避けることができません。脂質・糖質の過剰摂取は、中性脂肪の蓄積につながります。疲れやすさを自覚している方は、体重のチェックも合わせてしてみてくださいね。

●感染症

暴飲暴食をしていると、どうしても崩れるのが栄養バランス。栄養バランスの崩れた体は、ウイルスが体内に侵入してきても、戦う力が弱く、あっという間に感染してしまいます。また、暴飲暴食が繰り返された体内では、内臓機能も低下しています。内臓機能が低下した体内では、免疫ホルモンの分泌も低下し、なお、感染に弱い体を作り出してしまうのです。
最近、インフルエンザやノロウイルスなどに感染した、という方は、手洗い・うがいも大事ですが、疲れやすい体質に変化してきてないか、体調をよくチェックする必要がありますね。

3、疲れやすい体質改善につながる食べ物とは?

それでは、一体どんな食べ物を選んでいけば、疲れやすい体から卒業できるのでしょうか。

3-1、栄養バランスをしっかり確保

●主食をしっかりとる

特に「間食が大好き」という方は、変わりに食事の主食を抜く傾向が強くなりますが、これが実は逆効果。主食の成分として大きな役割をもつ糖質は、体が元気に動くために欠かせないエネルギー源です。このエネルギー源を食事からきちんと摂取しないから、間食で欲してしまうのです。甘いものはなるべく排除していきたいので、その分食事の主食からしっかり糖質を確保していきましょう。

●タンパク質はほどほどに、しかし確実に

タンパク質とは、肉・魚・卵・大豆製品を意味します。
これらは、体を構成する上で欠かせない栄養素を持ち合わせています。
もちろん食べ過ぎは脂肪にもなるし、消化に負担をかけるため、内臓を疲弊させることにつながりますが、摂取不足は、筋肉組成や細胞の修復能力の低下につながるため、やはり疲れやすい体を作ってしまいます。

体に必要なタンパク質量は、体重1kgに対し、タンパク質1g。つまり、体重50kgの人であれば、1日に10gのタンパク質が必要になります。ですが、数字ではなかなか毎日の食べ物でイメージがわきませんよね。そんな時は、自分の手の平を広げ、指の部分をカットした大きさ・厚みを1食の目安としていただいてください。こうすることで、おおよそその人にとって必要なタンパク質量が確保できるようになります。

●野菜を確実に摂取

野菜には、ビタミン・ミネラル・酵素・フィトケミカルなど、体の機能を調整してくれる栄養素が豊富に含まれています。もちろん、体が機能するためには主食・タンパク質の栄養素も欠かせませんが、それらの栄養の運搬を手伝ってくれたりする栄養素が豊富なのは野菜が持ち合わせています。
野菜が持ち合わせる栄養素は、加熱すると効力が低下してしまうものが多いため、生野菜・加熱野菜と区別して両方をしっかり食事に取り入れるよう意識するといいでしょう。

4、おまけ:リフレッシュする運動も効果あり!

疲れ解消:ストレッチ

疲れやすい体を改善する食べ物も重要ですが、気持ちのリフレッシュには体を適度に動かすことも効果的です。息切れするような負荷の大きい運動は、よりストレスとなり体を疲れやすくしてしまいますが、ストレッチやヨガ、ウォーキングなど、軽い運動は気持ちも筋肉も緩める効果が絶大で、疲れの改善につながります。忙しい毎日の中でも、朝のストレッチの時間や、夜の散歩を兼ねたウォーキングなども合間に取り入れてみてくださいね。

まとめ

いかがでしたか?疲れやすい・・・は、年齢や仕事のせいだけではなく、日々何気なく食べていた食べ物も大きく影響をしています。ぜひ、できそうなことから改善!改善!を意識してみてください。

プロフィール
代表理事 高久恵美子
日本美食脳アカデミー協会代表理事 高久恵美子カロリー計算・g計算不要。しっかり食べてキレイになる食事法を推奨する看護師/保健師。
「毎日の食は、わたし達の味方である」ということを、栄養学とは異なった観点で、ワーキングウーマンやダイエットを繰り返してきた人に教えています。FB   詳しいプロフィール お問い合わせこの著者の記事


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