わたしが、自分の食事と向き合うきっかけになったのは、こんな一文からのスタートでした。
「私は34歳という若さで子宮を失いました。まだ一人も子供を産まないうちに子供を産む能力をなくしたのです。」松田麻美子著
当時看護師として社会にでて、何気なく毎日を過ごしていたものの、その毎日は、風邪のひきやすさやニキビ肌、体重の増減、疲れやすさでいっぱいだったわたし。
何か、他人事ではないような気がして、そこから食の勉強を始めたのです。
看護師として学んだ栄養学では聞いたことのない言葉の「毒血症」。
調べるうちに、自分はこの「毒血症」なのではないか?という思いが頭をよぎり、そこから食生活の改善を試みたのが、現在のわたしの仕事につながっています。
今日はこの聞きなれない「毒血症」についてです。
目次
1、毒血症とは?

毒血症は「ドクケツショウ」とも「ドッケツショウ」とも読みます。
1-①毒血症の意味
毒血症とは:
「蓄積された不要な老廃物や、誤った食習慣のために体内で形成される有害物質、および加工食品に含まれる添加物などの毒素が、血液に入って生ずる全身的な中毒症状」
1-②あらゆる体調不良や病気の根源とされている
自然治癒力という言葉があります。
動物の身体は、洗浄力、治癒力、機能維持のための力を誰でも備えています。
つまり、身体は常に体内の有害な物質を外に排泄することで浄化し、健康を維持するための努力を欠かさない機能を持ち合わせているのです。
これは、実に素晴らしい機能です。
例えば、家の窓は自然に汚れます。しかし、窓は掃除を意図的にしない限りはキレイになるこtこはありません。
しかし、自然治癒力をもった動物の身体は、自ら掃除をして、元の状態を保とうとしてくれるのです。
ところが、そんな素晴らしい機能にも限界があります。
わたし達が、毒素の原因となる悪いものばかりを体内に入れ、放っておけば、やがて支障がでてくることは必須の事実です。
自然治癒力の衰えた人間が苦しんでいる多くの体調不良や病気の根源、と十分に考えられるのです。
2、体内のめぐりを停滞させる毒血症

2-①身体の機能のバランスが崩れた時が毒血症
わたし達の身体は、食べ物から栄養を吸収して身体を作り上げる働きと、古くなった組織や利用できなくなったものを外に捨てる働きの2つを担っています。
このバランスが崩れ、排泄機能が間に合わなくなった時が毒血症です。
2-②身体を汚す食事で簡単に作られる毒血症
身体の機能のバランスが崩れた時以外にも、毒血症の引き金になる原因があります。
それが、現代の食生活による副産物によるもの。
大量生産、日持ちのするもの、お菓子、インスタント食品など、加工食品が当たり前になった現代の食事内容を、わたし達の身体はスムーズに排泄できる仕組みにありません。
自然でない食材や添加物などは、体内で処理しきることができずに、体内に残留しやすくなります。残留した毒素は、身体にとって非常に有毒で、組織を傷つけ始めます。これらの毒素の特徴として、体内に水を溜め込む、というものがあるので、むくみやすかったり、体重が急に増えるようになってなかなか落ちない、という場合は、日常の食生活を見直してあげる必要があるという証拠になります。
大切なのは、摂取する毒素のレベルを最低限にしてあげる必要性を理解し、その工夫ができるようになること。
頭痛や肩こり、慢性疲労、肥満などの原因は、すべて食生活の改善から始まるのです。
3、毒血症からの改善方法

ここまでお読みいただくとピンとくる方もいるかもしれません。
要は、お菓子や冷凍食品、ジャンクフードと呼ばれる類のものを、何も考えずに好きなだけ食べる食生活をしていることは、命を縮めることにもつながるのです。
では、どんな食事をしていけば、毒血症の改善につながるのでしょうか?
3-①加工されていない自然に近い食べ物
添加物などの毒素を極力身体に入れないこと。これが第一条件です。
- ◯野菜、果物、肉、魚、卵、米
- ×お菓子、菓子パン、冷凍食品、レトルト食品、アルコール
3-②生の野菜・果物
生の野菜・果物には、ビタミン・ミネラル・酵素・フィトケミカル・食物繊維など、体内の毒素を外に排泄するのに力を貸してくれる栄養素を豊富に含みます。
しかし、これらの栄養素の多くが、加熱によって力が弱まってしまったり、量が減ったりします。
温野菜やスープ類の野菜ももちろん大切ですが、生の野菜・果物を積極的に毎日の食生活に取り入れることで、自然なままの栄養素を十分に体内に取り込むことにはとても大きな意義があるのです。
まとめ
毒血症という言葉は、聞きなれない上に響きもよくないですから、あまり世間に浸透しないでしょうし、して欲しい言葉でもありません。
が、その内容は食が豊かになった現代人こそきちんと理解し、その対処を自らできるようにならなければいけない時代に入っていることも事実です。
思い当たる節があったら、ぜひ意識してみてくださいね。
《コラム担当:(社)日本美食脳アカデミー協会代表理事 高久恵美子》