「自炊ができない」と悩んでいる人へ

自炊ができないと悩んでいる人へ

忙しい毎日。
食事をする時間も追われて、自炊どころではない。そんな現代人の悲痛な叫びを幾度となく聞いてきました。
古き良き日本の姿を思い浮かべると、「自炊はした方がいいのではないか?」「自炊を一切していない自分はダメ人間なのではないだろうか?」とそんな思いを持ってしまっている人もいるかもしれません。

でも大丈夫。今回はそんな方のために、これまでのクライアントさんの事例を踏まえて感じている見解を述べさせていただきますね。少しでも気持ちが楽になり、さらにはいつかの行動につながれば幸いです。

1、自炊の必要性を感じるようになったらあなたも必ずやる

もう、上に書いたことが全てなのですが、ちょっと説明しますね。
今の世の中って、自炊をしなくてもいい環境にあると言えます。
超高齢化社会で、働き手は人手不足。キャパオーバーともいえる仕事量で残業の毎日。
精神的にも疲れているのに、好きでもない自炊(自炊が好きな人って、結局やれちゃうんです。自炊がストレス解消になってしまうという、ちょっと不思議な要領を持っている人種もいるのです。タイプの違いなので、あまり気にしないで欲しいのです。)なんて出来ないですよね。

しかも、遅く帰った頃には、近所のスーパーはすでに閉店をしているか、もしくは半額の値がついたお惣菜の数々が待っている!
これは、お惣菜を買わない手はありません。自炊をしない環境を、まるで社会が作ってくれているかのようです。

1-1、自炊より買った方が安いのでは?

自炊より買った方が安いのでは?

だいたい、自炊LOVEでない限りは、自炊をしようと食材を購入してみたところで、使い切れずに腐らせるのがオチ・・・・。だったら、牛丼チェーン店に行けば、ワンコイン以内でお腹いっぱい食べられるし、カフェなんかではパスタなんかも食べられる。
そう考えると、外食やお惣菜で済ませた方が「美味い/早い/安い」が叶う気がするのですよね。

ところが、自炊派に言わせるとそうでもないようです。(ちなみに筆者は7割自炊、3割外食ですが、外食の方が高くつきますね・・・)

週の半分以上を自炊にすると、野菜をホールで買ってしまえば、何種類ものおかずを作ることができます。お味噌汁も、数種の食材を入れて2-3日分作って冷蔵しておけば、お腹も満足で栄養もたっぷり。

外食でサラダを食べようとすると、それなりの金額がかかりますが、スーパーでレタス1玉買っても高い時期で300円くらい。しかも数回分のサラダをまかなってくれます。
お肉や魚も、スーパーで買えば数百円程度でお腹いっぱいになり、あわよくば、翌日のお弁当のおかずにもなったりします。

しかし、外食で肉料理・魚料理をしっかり食べようとすると、数千円はかかるもの。
外食で何を食べるのか、によりますが、自炊のような食材豊富さを外食で求めると、どうしても自炊派からすると、外食は高くつくと感じてしまうのです。
なので、自炊と外食どちらが安いの??となると、それは食べる質による、と言えますね。

1-2、自炊の必要性を感じる時

自炊の必要性を感じる時

「自炊はあまりしてこなかった」という人が、自炊をするようになる時、なんらかのターニングポイントにあると言えます。
とくに独身女性の場合だと、「婚活を始めることになった」「結婚が決まったので、食事で健康管理ができるようになりたい」など。
これが、既婚でお母さんになってくると「最近太ってきたから食事を整えたい」とか「主人が太ってきたので、健康管理をしたい」などという理由が生まれてくるのです。

人間、何か問題に気付くと、その対処法には多少なりとも行動変容をすることができるるものですし、逆を言ってしまうと、自炊の必要性を感じるような理由づけがない限り、やはり自炊へと切り替えることは相当難しいことなのです。

2、自炊をすることのメリット

なんらかのターニングポイントを迎え、自炊の必要性に気付くと、それまでは「自炊なんて無理」と言っていた人たちも、不思議と時間を投資できるようになっていきます。
それは、自炊をすることのメリットを理解するから。
これまで、「自炊しない派」だった人たちが、「自炊する派」に変化していった中で、よく聴いた「自炊をすることのメリット」を紹介します。

2-1、栄養バランスをコントロールできる

わたし達人間が、美しく健康的にあり続けるためには、日常的に約50種の栄養を取り込むことが好ましいとされています。
これらの栄養は、野菜や肉、魚、卵、など、多岐に渡る食材に分散しているため、それなりの食材の種類を揃える必要があります。
これが、「美味い/早い/安い」の牛丼屋さんだと、なかなか摂取することは難しくなります。

もちろん、1日3食の食事で栄養を分散して摂取できていればそこまで問題視する必要はありませんが、自炊をしない人、というのは、朝・昼・夕と全てしないもの。
1日3回の栄養摂取のタイミング全てにおいて、栄養不足を繰り返していると、風邪もひきやすくなりますし、体重も増えやすくなります。
自炊となると、ある程度の食材を揃えておかずを数種作ることによって、体に必要な栄養を含む食事をまかなうことが可能になるのです。
もちろん、自炊さえしておけば何を食べてもいい、というわけではなく、偏りなく様々な食材を使用していくことが好ましいのは当然のことです。

2-2、作り置きで食事が楽になる

自炊をすることのメリット

一度、自炊をすると、作り置きをすることができます。
例えば、お味噌汁であれば、お鍋に数回分のお味噌汁を作り置きし冷蔵庫で保存することができますから、遅く帰ってきても再び火にかけて温めるだけで栄養も満足度も得ることができるのです。

おかずも、多めに作っておくことで、翌日の食事に回すこともできますし、お弁当のおかずとして再利用することも可能になります。
一回に作った食事を有効利用することができるようになると、コスパは完全に自炊派に軍配が上がります。

また、お味噌汁や一品おかずの作り置きがあるだけでも、「今日は疲れたからお弁当を買って帰ろう」という日があっても安心です。作り置きおかずがあることで、お弁当だけではまかなえない野菜などを補うことが可能になるのです。

3、外食続きの人はこんな点に注意して!

とはいえ、まだまだ自炊を取り入れていく理由づけがない、という方は、どんなに自炊の良さがわかったところでもすぐに行動には移しにくいですよね。
そんな時は、外食の時に「不足しているものを補う」ことや「食べ過ぎてしまうものをセーブする」ことで調整をすることをお忘れなく!
これをやれるかどうかだけでも、体への影響に大きな差が出てきます。

ちなみに、クライアントさんの中で、100%外食、という女性がいましたが、100%外食の中でもできることをプラスするだけで、見事体調改善や体重の減少につながった方もいらっしゃいます。
外食ばかりの生活に罪悪感を持つことなく、できることから行動していきましょう!

3-1、不足しているものを補う

外食続きの人はこんな点に注意して!

外食のとき、どうしても不足してしまうものが野菜です。
生野菜として食べるサラダには、野菜がもつ栄養を丸ごと取り込むことができます。
お弁当を買う時には、サラダも一つプラスで買う、などして、野菜不足を解消してあげてください。

また、とくに女性が好む、カフェなどでのパスタやサンドイッチの食事で不足しやすいものがタンパク質です。
タンパク質は、肉や魚・卵などを意味します。
タンパク質の摂取が不足すると、食事への満足度が得られずに間食が増えていったり、肌の乾燥、疲れやすい体質になっていったりと悪影響が出てきます。

カフェでのモーニングなら卵料理を選んだり、ランチであれば肉・魚料理のある定食やプチコースにしてみたりと、タンパク質不足解消メニューを見つけてみてくださいね。

3-2、食べ過ぎてしまうものをセーブする

外食で、つい食べ過ぎてしまっているもの。それは炭水化物です。
パスタランチなどは、さほど量がないようにも見えますが、全体的な食事バランスからいうと、圧倒的に野菜とタンパク質が不足し、その代わりに炭水化物量が多くを占めることになります。

また、海鮮丼や中華丼などの丼ものでも、やはりご飯の量は必要量以上になってしまいます。
ご飯を食べすぎると、脂肪に変換されて太りやすくなるどころか、血糖値が急上昇し、眠くなったり疲れやすくなったりします。そうすると、その後の仕事には悪影響ですね。
丼ものを食べる時には、お味噌汁やお浸しなど、野菜メニューを追加できないかをチェックしてみてください。

まとめ

自炊にはメリットが多くあるのですが、実際にやった人にしかそのメリットは理解されにくいものです。必要性が生じれば、誰でも自炊は簡単にやっていけるようになる不思議なもの。
自炊経験のない自分が、いざ自炊をしようという気になった時は、本屋さんに行ってフィーリングの合うレシピ本を1冊だけ手にとってみてください。
そして、あれこれ脱線せずに、その1冊の本のレシピを端から端まで丁寧に経験してみてください。
レシピ監修者によって、言うことややり方が異なるので、まずは1冊だけを信じて、勘所をつかんでいくといいですよ。

《コラム担当:日本美食脳アカデミー協会 高久恵美子》

プロフィール
代表理事 高久恵美子
日本美食脳アカデミー協会代表理事 高久恵美子カロリー計算・g計算不要。しっかり食べてキレイになる食事法を推奨する看護師/保健師。
「毎日の食は、わたし達の味方である」ということを、栄養学とは異なった観点で、ワーキングウーマンやダイエットを繰り返してきた人に教えています。FB   詳しいプロフィール お問い合わせこの著者の記事


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