実は、抜け毛や薄毛で悩む女性の数は、統計としては男性を大きく上回っています。
実際、ウィッグに投資をするのは、男性よりも女性です。
そのくらい、ヘアに関することは女性にとってはデリケートな問題なのです。
抜け毛は、髪の寿命による自然現象ではありますが、抜けすぎな状態は身体からのSOSだと思った方が良いケースもあるかもしれません。
目次
抜け毛・薄毛の症状

抜け毛自体は、まったく異常な症状ではありません。
ですので、過度に心配しないこともとても大切なことです。
髪の毛は、常に生え、常に抜ける、というヘアサイクルを持っています。
一般的に、成人の抜け毛の本数は、平均して100本/日前後と言われています。
朝のブラッシング、日中の活動中、シャンプーの時、など様々な頭皮への刺激の中で、髪の毛の入れ替わりのために抜け毛になるのです。
逆にこのヘアサイクルは、新陳代謝のよい証拠とも言えますね。
気をつける必要があるのが、過度な抜け毛や、それによる薄毛の状態が続くことです。
抜け毛・薄毛は女性による相談が多い

抜け毛・薄毛が男女のどちらに多く発生するのかという医学的統計の数値は出ていません。
一般的に、ヘアトラブルの商品やCMの多さは男性対象がメインのように感じますが、ウィッグを作るのは男性よりも女性に多くなっています。
見た目のおしゃれやエイジングには男性以上に気を遣うのが女性です。
実際に、身体的なお悩みを挙げてもらうヒアリングの際に、「体型の崩れ」「肌トラブル」「疲れやすさ」「むくみ」などと一緒に「抜け毛が多くなってきた」「薄毛が気になってきた」というものを挙げられる30代後半~40代の女性はとても多い印象です。
内側からのケアが第一!抜け毛・薄毛を防止する食べ物
①動物性タンパク質を食べること

髪の毛は、タンパク質からできています。髪の毛をつくるタンパク質を「ケラチン」と呼びます。
このケラチンが有効に合成されるためには、タンパク質の摂取と共にビタミンB6が必要になります。
ビタミンB6は主に、肉や魚といった動物性タンパク質に豊富に含まれます。
よって、納豆や豆腐などの植物性タンパク質をメインにするダイエット中の女性などは、抜け毛で悩むことが多くなりがちです。
②食材の種類を豊富にローテーションすること

髪の毛をつくる大元の栄養素はタンパク質。
ですが、タンパク質だけでは、健康的な頭皮や髪の毛を作り出すことはできません。
栄養素は、複雑にお互いの力を交差させながら身体を作り変えていく特徴があります。
よくダイエットをしている方が、「酵素サプリを飲んでいる」「プロテインを摂取している」としながらも、抜け毛や薄毛、さらには疲れやすさや月経の停止などを引き起こすのは、栄養のバランスに偏りが出てしまっているからなのです。
例えば、
- ビタミンE:細胞の老化を防ぐ。血行を促進する
- ビタミンA:髪に潤いを与え、髪や皮膚を健康に保つ
- ビタミンC:ストレスや紫外線から身体を守る
- 亜鉛:育毛の促進
このように、様々な栄養素に、それぞれの役割があることがわかります。
つまり、「何か一つの食材で作られる美容・ダイエット法」はなく、「様々な食材を食べることによって、様々な栄養素を確保する」食事が大切なのです。
③食事バランスを意識する

ここまでの内容を整理しましょう。
毛髪は毎日の食事から取り込んだ栄養素で、健全に作られることがわかりました。
栄養は、様々な内容を網羅することにこそ意味がある。
つまり、食事バランスを整えてあげることができれば、栄養バランスも必然的に整いやすくなるのです。
《抜け毛・薄毛防止に効果のある食事バランスに欠かせないものまとめ》
- 野菜をたっぷり
- タンパク質は毎食摂取
- 主食も抜かずに食べる
- 質のいいオイル
上記の食材は、それぞれ持ち合わせる栄養素も役割も異なります。全てを網羅した食卓を目指しましょう。
抜け毛・薄毛を防止する「控えたい食べ物」
健康的な頭皮と髪の毛を育てるために、栄養のバランスを整えることが大事。
それと同時に、抜け毛や薄毛を助長した原因をなる食べ物を知り、控えていくことにも大きな意味があります。
- 脂質
- 炭水化物
これらの過剰摂取は皮脂を過剰に分泌させる働きを持っています。
揚げ物やインスタント食品の食べ過ぎ、パン類麺類や菓子類によって炭水化物の食べ過ぎをしていると、皮脂量が増え、毛穴が汚れやすく、抜け毛・薄毛が進行していくことにつながりかねないので、注意が必要です。
生活習慣も大事
日頃の頭皮のケアや生活習慣の改善も欠かせません。
① 頭皮を清潔に保つ

1日中の仕事で疲れて帰宅。そのままお風呂に入らずに寝落ちてしまう・・・・。
そんな生活を続けていると、抜け毛は増える一方です。
日中、頭皮の毛穴は皮脂が絶え間なく分泌されています。また、大気中の埃や有害物質も付着します。
皮脂や有害なものを長時間放置しておくと、酸化をして皮膚の炎症の原因になります。
また、皮脂や汚れで毛穴や頭皮表面が詰まったままだと、十分な酸素供給を妨げ、よけいに抜け毛を助長します。
毛根に十分な栄養と酸素を届け、血行の良い頭皮を保つためには、毎日のシャンプーや頭皮のマッサージは大きな役割を持っていることがわかりますね。
② 心身の休息を確保する

全身の血行を良くすることに、自律神経も大きく関係しています。
長時間の残業続きの生活や、精神的なストレスは、自律神経バランスを崩し、血行不良を促進することにつながります。
抜け毛・薄毛を悪化させる原因にもなりますので、残業の調整やストレスケアを意識して取り入れていく必要がありますね。
まとめ
歯と同様、髪の毛も、できる限り美しく健康的であり続けるために、メンテナンスは必要です。
たまに、美容室でのトリートメントもよいですが、根本的な解決策としては毎日の食生活があることがわかりましたね。
ぜひ、良い食材を数種ずつ確保できる食生活を心がけていきましょう。
《コラム担当:(社)日本美食脳アカデミー協会代表理事 高久恵美子》