世界のスーパーセレブやスーパーモデル達がこぞって食生活に取り入れることで、日本でも大旋風を巻き起こしているスーパーフード。
しかし、今になって「スーパーフードの効果はない」という注意喚起まで出されています。
スーパーフードって何なのか、必要なのか、必要だとするならばどのように付き合っていくのがいいのか、一人一人が考えてみる時期かもしれませんね。
目次
1、スーパーフードとは?話題のスーパーフードの種類
スーパーフードとは、高い栄養価がある食べ物、「抗酸化力」のある自然由来の食材のことを意味します。スーパーフードに何が当てはまるのかというと、これは企業や市場が「これはスーパーフードだ」と言ったらスーパーフードになるような気がしますが、今回は特に日本で流行した3種をピックアップしてご紹介します。
《スーパーフードの種類》
スピルリナ

水中で育つ藻の一種。最古の植物とも言われている。濃い緑色は、クロロフィルを豊富に含むことで抗酸化力を期待されています。また、アミノ酸をはじめ、ビタミン、ミネラル、食物繊維も豊富に含み、その栄養価の高さから注目を浴びています。
パウダータイプのものは、青汁にして飲んだり、グリーンスムージーに入れて飲むのがポピュラー。
筆者の経験からいうと、苦味はありませんが、独特の風味があるかと。ちなみに、スピルリナだけを水で溶くと、まさに写真通りの飲み物になります。いかにも「健康そうな味」で案外いけます。
粒状にしてサプリメントとしても販売されています。
国産のものも市場で手に入れることが可能です。
アサイー

アマゾン原産で、日本ではペーストを冷凍にしたものや、パウダータイプで販売されています。
ポリフェノールや鉄分、ビタミンEを豊富に含むことから、強い抗酸化力を期待されています。
味については、これも筆者経験談ですが、イチゴやブルーベリーのような、際立った風味や甘さというのはないように感じます。
淡白なベリー系、という印象ですが、その分、他のどのようなフルーツと混ぜても相性がいいので、アサイーボールなどは冷凍バナナなどがベースで美味しくいただけるようになっています。
チアシード

中南米産のシソ科植物の種子になります。
オメガ3脂肪酸を豊富に含む他、食物繊維、ミネラルが期待できます。
お水を含むことでプルプルの食感になるので、サラダにそのままかけたり、ドレッシングにしたり、デザートなど食感を楽しみながら美味しくいただけます。粉末タイプのものは、飲み物に入れたり、スイーツづくりなどで活躍します。
ほぼ無味無臭なので、使い勝手はいいでしょう。
2、「スーパーフードの効果はない」と言われる理由
スーパーフードの多くは、日本で手に入れることができないものばかりです。
これまで流行ってきたものの特徴としては、まずはアメリカ・ハリウッドで大人気となり、その後日本で大流行、というパターン化が出来上がっています。
つまり、完全に市場は企業、そして消費者のキレイになりたい願望によって作られている、ということは頭に入れておくべきことだと思います。
スーパーフードには、それぞれ際立つ単一の栄養素の強みが見受けられます。(※もちろん上記記載の通り他の栄養素も含みます。)
- スピルリナであれば「クロロフィル」
- アサイーであれば「ポリフェノール」
- チアシードであれば「オメガ3脂肪酸」
ですが、これらの特徴的な栄養素を大量摂取できたとしても、それらから生体が得ることができた「効果」の科学的根拠を証明するものではないのです。
あくまでも「こういう栄養素がたっぷり摂取できますよ。これらの栄養素を摂取すると、こんな効果の期待ができますよ。」というものでしかないのです。
もちろん、クロロフィルもポリフェノールもオメガ3脂肪酸も、わたし達の体には必要な栄養素であることに間違いはありません。
ですが、わたし達の体内では、様々な栄養素が複合的に絡まり合うことでお互いの働きを補助しあいます。
例えば、ダイエットの大敵とされる「脂肪」や「炭水化物」があります。これらは、わたし達が元気に活動するためのエネルギー源であるため、摂取をしなければ代謝は低下しむしろ太りやすくなります。
美しく健康的であるためには、必要量の「脂肪」「炭水化物」を摂取する必要がありますが、これらがスムーズにエネルギー源になるためには、ビタミン・ミネラルなどの栄養素が潤滑剤として必要なのです。
体の中では、様々な栄養素が絡まりあうことで、初めて十分に機能することになるわけです。
つまり、特定の栄養素を「美容と健康にいいから」という理由で摂取しても、ほかの栄養バランスが整わなければ、体の中で上手に使われることがないということなのです。
実際、「スーパーフードやサプリメントを摂取しているのに、これといった効果を感じない」というご相談が後を絶ちません。
これが、「スーパーフードの効果はない」と言われる理由なのです。
3、身近にあるスーパーフードを食卓で上手に活用する方法
少し冷静な視点で食生活を見直してみると、特殊なスーパーフードにお金をかけずに、身近な食材を効率よく摂取することで、様々な栄養素を取り込むことができることに気づきます。
例えば、こんな食材達はどうでしょう。
- ほうれん草
- 人参
- 肉
- 魚
- きのこ類
- 米
近所のスーパーで簡単に手に入る、自然由来の食材ばかりです。
アサイーなどのスーパーフードがここまでもてはやされるようになった理由に、「現代の野菜は栄養価が低い」というものがあります。
例えば野菜ですが、そもそも現代人は、必要とされる野菜摂取量に達していません。
そして現に、毎日の食卓に野菜をしっかり取り入れている人たちは、むくみ・肌荒れ・高脂血症などを見事に改善しています。
スーパーで買える食材でも、しかるべき量を確保することができれば、それらもスーパーフードになり得る、ということなのです。
4、スーパーフードが本当の「スーパーフード」になるとき
繰り返しになりますが、ある一定の栄養価が高いからといって、そればかりに頼ったやり方では、カラダが美しく健康的になることはあり得ません。
よく、相談者さん・受講生の方が、「◯◯を買ってみたのですが、あまり効果を感じないのです。」とおっしゃるのには理由がある、ということはお分かりになりましたね。
前述の通り、何か単一の食材だけではカラダの中で上手に機能してくれないのです。
かくいう筆者も、かつてのんでいた超高価なマルチビタミンサプリがありました。
これだけではカラダの中でうまく使いこなせない、ということを当時は知らなかったのですが、今考えても痛い投資でした・・・。
おすすめなのは、スーパーフードをいくつも重ねて摂取する、ということです。
「そんなにいくつものスーパーフードを重ねて摂取したらお金がかかって仕方ない!!!」と思われるかもしれませんが、その心配はありません。
先に述べた通り、スーパーで売られている
- ほうれん草
- 人参
- 肉
- 魚
- きのこ類
- 米
全てスーパーフードだからです。
五大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラル)は、それぞれの役割は異なっていて、それらを一緒の食事で摂取するからこそ、お互いがスーパーフードとしてカラダの中で大活躍をするわけです。
よって、朝の「フルーツだけ」とか、昼の「野菜スープだけ」とか、夜の「プロテインドリンクだけ」というのは、かなりもったいないことをしているということになります。
全てはバランス。
ガマンすることなく、食事制限をすることなく、しっかり美味しく食べてどんどんキレイになっていきましょう!
まとめ
スーパーで買える食材を上手に利用することで、十分にスーパーフードになり得ます!
いろいろな栄養素をもつ食材を、種類を増やして摂取することで、栄養バランスを整えていきましょう。
逆にいうと、単一の栄養素の特色の強いスーパーフードばかりをとっていても、効果はなかなか望めない、ということになるのです。
《コラム担当:(一社)日本美食脳アカデミー協会代表理事 高久恵美子》