なぜあの子は食べても太らない?「食べて痩せる食事」の秘訣

なぜあの子は食べても太らない?「食べて痩せる食事」の秘訣

食べても食べていなくても、なかなか痩せないことにお悩みの方もいれば、よく食べるのにも関わらず、スリムな女性もいますよね。ところが、スリム美人は、「食べて痩せる食事」を選ぶことができているようです。しかも「食べて痩せる食事」には、しっかり根拠があることもわかりました。

「あの子は痩せの大食い体質だから・・・」とあきらめず、同じく「食べて痩せる食事」を選ぶことができれば良さそうです。今回は、スリム美人が選んでいる「食べて痩せる食事」について解説します。

1、しっかり食べるスリム美人のカラダの特徴

しっかり食事を食べるのにスリム美人をキープできる人のカラダの特徴は一体なんなのでしょうか。

スリム美人は、毎日の食生活の中で、スリムをキープできるための「食べて痩せる食事」を選ぶことで、食べても太らないカラダを作っているのです。つまりは、そのカラダの特徴を知り、そのカラダをつくるために必要な食事を真似していけばいいということですね!

1-1、スリム美人は代謝が高い

代謝とは、大きく3つに分かれます。

  • 基礎代謝
  • 生活代謝
  • 食事誘発性熱産生

それぞれを詳しく見ていきましょう。

●基礎代謝

:生きていくために最低限必要な代謝のこと。呼吸をする、心臓を動かす、体温調節をする、など、わたし達が無意識のうちに消費している活動に利用されています。

●生活代謝

:カラダを動かすことで利用される代謝のこと。運動をしたり、筋トレをしたりして生活強度を上げることで増やすことができます。

●食事誘発性熱産生

:食事をすることで生じる代謝のこと。食べたものを消化したり、栄養をカラダに吸収したりすることで利用されます。

これら3つの代謝の中で、一番消費量が多い代謝があります。その代謝を大きく活用することができればいいわけです。その一番消費量が高い代謝が、「基礎代謝」です。一番高いといっても、一体どのくらい高いのでしょうか?

  • 基礎代謝・・・70%
  • 生活代謝・・・20%
  • 食事誘発性熱産生・・・10%

このような内訳になっています。

運動さえすれば代謝は上がる!!と思っていたのに、運動強度を上げることで発生する生活代謝量はなんと、全体でみるとたったの20%。ここの割合を増やすにしても、基礎代謝量の大きさには、到底叶わない、ということがうかがえますね。

こうなれば、断然基礎代謝を増やすことに、思いっきり力を注いでいきたいところです!

1-2、スリム美人は実は筋肉量が多い

筋肉量を増やしても、生活代謝の内訳が少ないことかもわかるように、劇的にダイエットに効果を出すわけではありません。ちなみに、筋トレを頑張って、筋肉量を5㎏増やしたとしても、代謝は50~70kcalしか上がりません。ましてや、5㎏の筋肉をつけることは至難の技ですから、やはり、ダイエットのために頑張る運動は効率的にみてもおすすめできません。

しかしながら、筋肉量を増やすことには、大きな意味があります。

それは、脂肪燃焼効果が高い、ということ。

筋肉とは、例えるなら、脂肪を燃焼させる工場にようなもの。スリム美人は、「食べると痩せる食事」を選ぶことによって、この筋肉の元となる栄養をカラダに取り入れ、自然と痩せやすいカラダをつくりだしているのです。

1-3、スリム美人は美腸の持ち主!

スリム美人は美腸

スリム美人の女性は、腸の動きが活発で、栄養を吸収しやすく、また食べ物のカスを外に排出しやすい、という特徴があります。そこには、腸内環境の良さが重要ポイントになります。

腸内環境には、善玉菌・悪玉菌・そして日和見菌という3つの腸内細菌が存在します。

それぞれの菌が、一体どんな意味を持つのかを見ていきましょう。

●善玉菌

:健康維持や生命活動に必要な物質を産生したり、ビタミンやホルモンの産生、消化吸収、免疫力の活性化、感染防御、腸の蠕動運動の役割を担っています。ビフィズス菌・乳酸菌・酵母菌がそれにあたります。

●悪玉菌

:腸内で有害物質を作り出し、腸の内側を傷つけていくことで、それがガン形成につながります。悪玉菌を優勢にすることで、免疫力の低下や、便秘、腸内発酵につながります。大腸菌・ブドウ球菌・ウェルシュ菌がそれにあたります。

●日和見菌

:カラダが健康な時は大きな働きをしない菌ですが、善玉菌が増えたときには善玉菌の味方を、悪玉菌が増えたときには悪玉菌の味方をする特徴を持ち合わせています。

 

腸内細菌の全体的な理想の割合は、

善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7

とされていますが、それぞれの菌の特徴をみると、大切なのは、善玉菌と悪玉菌のバランス、ということになります。

では、善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑えるには、どんな食生活をしたらいいのでしょうか?

 

《善玉菌を増やす方法》

善玉菌の栄養素は食物繊維。野菜全般や海藻、豆類など、食物繊維を豊富に含む食材を積極的に食事に取り入れる必要がありますね。

《悪玉菌の増殖を抑える方法》

悪玉菌は、過剰なタンパク質・脂質をエサとして増殖します。お肉の過剰摂取や、ファーストフード、加工食品の摂取を控える必要があります。

 

では早速、スリム美人が選ぶ「食べて痩せる食事」の細かいところに触れていきたいと思います。

2、食べて痩せる食事は「栄養」が豊富

「栄養」ときくと、難しいイメージを持ちやすいですが、大きな視点で捉えることさえできれば、即、毎日の食生活に活かすことが可能です。では、食べて痩せる食事には、一体どんな栄養が豊富なのでしょうか。

2-1、色のバリエーションこそ「栄養豊富」の証明!

健康的で美しくあるためには、栄養を摂取することは必要不可欠です。

一体どんなものを食べれば、栄養が摂れるのか?と考えてみると、やはり真っ先に浮かぶものは「野菜」。この「野菜」において、今大注目されているのが、「第7の栄養素」といわれる「フィトケミカル」です。

フィトケミカル豊富な食材

フィトケミカルとは、野菜や果物、海藻、お茶やハーブに含まれる植物性の化学物質を意味します。その数は現在約1万種類以上あるとされています。

このフィトケミカル、なぜ大注目をされているのかというと、「食べて痩せる食事」に欠かせないものだからなのです。

2-1-1 フィトケミカルの絶大なる効能

フィトケミカルとは、栄養素の一つで、植物性の化学物質のこと。野菜や果物、海藻、ハーブ、お茶類に豊富にふくまれる栄養素のこと。フィトケミカルは、カラダのサビ、いわゆる老化や体調不良の元となる活性酸素を取り除く強い抗酸化作用をもちます。さらに、免疫力を高め、発ガン性物質の生成・増殖の抑制をするともいわれています。

また、フィトケミカルは、カラダの中ではつくりだすことができないので、それを含んだ食材を食べることが必要です。

2-1-2 毎日取り入れたい、フィトケミカル豊富な食べ物

フィトケミカルは、約1万種類以上あるとされています。名前や種類で覚える必要はなく、大きくわけて7つの色で判別し、毎日の食事にプラスできることが理想的です。

《赤》
フィトケミカル「赤」

栄養素:リコピン、カプサイシンなど。
食材:トマト、赤ピーマン、赤パプリカ

《黄色》
フィトケミカル「黄色」

栄養素:ルテイン
食材:ゴールドキウイ、とうもろこし、黄色パプリカ

《オレンジ》
フィトケミカル「オレンジ」

栄養素:βカロテン
食材:人参、かぼちゃ

《緑》
フィトケミカル「緑」

栄養素:クロロフィル
食材:ほうれん草、小松菜、ケール、ピーマン

《紫》
フィトケミカル「紫」

栄養素:アントシアニン
食材:紫キャベツ、紫玉ねぎ、なす、ブルーベリー

《白》
フィトケミカル「白」

栄養素:硫化アリル
食材:玉ねぎ、ねぎ、大根

《黒》
フィトケミカル「黒」

栄養素:カテキン、クロロゲン酸
食材:ごぼう、ヤーコン、柿

これらを全て1度の食事で網羅する必要はありません。ただし、色の違いで持ち合わせる栄養素に違いがあるため、様々な色の野菜をバランスよく摂取していく必要があります。

1回の食事に、いずれかの色素が2種類以上あること。まずはここを目指していくといいでしょう。買い物に行く際に、「前回を同じ野菜を買わない」ということを意識してみるのも実践的ですね!

 

3、食べて痩せる食事は満腹感を得やすいことがマスト!

ダイエットをしようと思うと、つい食事の量を抑えがちです。ですが、結局食事量に満足できずに、間食が増えてしまいがち・・・。

せっかくいただくなら、「しっかり食べたな~」と思えるような食事をし、満たされた気持ちを体感することも外せません。

3ー1、食物繊維が食事の満足感を高める!

食物繊維とは、人間の消化酵素では分解することができないという性質を持っています。

食物繊維は大きくわけて2つ。

・水溶性食物繊維

:水に溶けやすく、ゲル状になり、血糖値の上昇を抑え、コレステロール値を下げる役割がある。また、腸内の善玉菌の栄養素になることで、腸内環境を整えてくれる。

多く含む食材:野菜、海藻、熟した果物、きのこ類、芋類

・不溶性食物繊維

:ほうきのように硬い繊維質で、有害物質を取り込みながら体外げ排出する。便のかさ増し効果もあり、腸を刺激し便通を促す。

多く含む食材:野菜、熟していない果物、穀物、きのこ類、豆類

 

上記にある食物繊維が持ち合わせる性質を利用することで、咀嚼の回数が増え、満腹中枢が刺激されることによって、食事への満足度が高まりやすくなります。

また、胃腸の中で水分を吸着することによるかさ増し効果があることで、食事への満足度を高めることができます。

食物繊維がほぼないカップラーメンは、1つ食べても満足しませんが、同じ大きさの容器にたっぷり入ったブロッコリーなら、自然とお腹が満たされていくことは、簡単にイメージできますね!

3ー2、脂質はダイエットの敵ではなかった!

脂質はエネルギー量が最も高い栄養素と言えます。

三大栄養素でみてみましょう。

  • タンパク質:4kcal
  • 炭水化物:4kcal
  • 脂質:9kcal
    (1gあたりのカロリー)

このような数字の違いにより、カロリー計算ダイエットでは、脂質カットをしがちですが、脂質も適量は確保しないと、お肌や髪のうるおい不足、低代謝、集中力の低下につながります。

また、カロリーが高いからこそ、少量の摂取でも、食事への満足度を高める効果があります。

だからといって、なんでもかんでも脂質を摂っていいのか、といったらそうではありませんね。酸化しているポテトチップスや冷凍食品、お菓子による脂質ではなく、魚やお肉、卵といった、自然の食品から脂質を取ることが大切です。また、オメガ3を豊富に含む、亜麻仁オイルやえごまオイルなども積極的に取り入れましょう。

脂質の消化が比較的弱いとされる日本人でも、1日あたり小さじ5杯分は摂取するといいとされています。

 

4、「食べて痩せる食事」まとめ

では、一体、これらの利点を利用して、どんな食事構成にしたら「食べて痩せる食事」になるのでしょうか?その食事の具体例をご紹介します。

4-1、食事バランスを整えること

痩せるための食事となると、つい「お豆腐だけ」「野菜だけ」というように、何か一品に偏る傾向にありますが、スリム美人になるためには「栄養豊富」にする必要性がわかりました。つまり、大切なのは「食事バランス」を意識した食事構成にする必要があるということです。

一回の食事に、これらが含まれることが「食べて痩せる食事」の定義となりそうですね。

  • たっぷりの色の濃い野菜をバリエーション豊かに取り入れること
  • 適量のタンパク質から、筋肉の材料と脂質を取り入れること
  • 質のいいオイルも意識して取り入れること(小さじ5杯前後)

 

4−2、1日3食の「食べて痩せる食事」具体例

《朝食》

食べて痩せる朝食

忙しいと、つい「パンだけ!」となりがちですが、食物繊維・フィトケミカルたっぷりの野菜と、筋肉の材料になるタンパク質である卵をプラス。彩りもよく、1日の仕事のパフォーマンスを上げてくれそうですね!

《昼》

食べて痩せる昼食

昼は、活動量も高く、最もエネルギーを取り込みたい時間帯です。野菜もしっかり意識し、質のいいタンパク質も欠かすことなく選択していきましょう。

《夜》

食べて痩せる夕食

夕食は、1日頑張ったご褒美と、大切な人たちとのリラックスタイム。ここでもしっかり野菜の栄養を補給しながら、カラダの元となるタンパク質もしっかりいただき、腹10分目に届かない程度で、感謝の「ごちそう様でした」を言い合えるといいですね。

 

5、時には胃腸を休ませる

日本人女性の特徴として、「これがいい」と耳にすると、途端に一生懸命それらを摂取することにがんばり過ぎる傾向があります。毎日、「食べて痩せる食事」を意識して選択していくことは大切ですが、時には、胃腸を休ませる、という意識も大切です。

5-1、こんな時は胃腸を休める

朝起きた時に感じる胃もたれ、ひどい疲れ。
風邪の症状が強く、空腹感がない時。

これらは、カラダは、症状の回復のために全力で体内で活動してくれています。よって、そんな時は、「あえて食事をいただかない」という選択も必要です。

ただでさえ、新発売のスイーツ、デパ地下デザート、外食、と休むことなく働いている胃腸です。胃腸に食べ物を入れないことで、胃腸には思ってもない休息時間ともなり、消化力の回復につながりますから、ぜひ、思い当たる時は、1食だけパスをする、という日があってもいいですね。

【まとめ】

食べて痩せる食事とは、食事の栄養を利用して、カラダの機能を最大限に利用することであることがわかりましたね。

食べない、ということは、栄養不足を招き、カラダの代謝を低下させることだけでなく、ココロの満足度も下げることで、食事以外のものを過食しやすくなります。

「食べて痩せる食事」をしっかりいただき、栄養もココロも100点満点にすることができれば、晴れてスリム美人の仲間入りができそうです。

今日から、しっかり食事をいただき、カラダの代謝を上げていきましょう!

プロフィール
代表理事 高久恵美子
日本美食脳アカデミー協会代表理事 高久恵美子カロリー計算・g計算不要。しっかり食べてキレイになる食事法を推奨する看護師/保健師。
「毎日の食は、わたし達の味方である」ということを、栄養学とは異なった観点で、ワーキングウーマンやダイエットを繰り返してきた人に教えています。FB   詳しいプロフィール お問い合わせこの著者の記事


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