朝食抜きダイエットを続けても、体重が減らないどころか、気づけば逆に太ってきている気がする・・・・。そんな方のご相談が多くなっています。
朝食抜きダイエットは、その理論は非常に理解できるものの、誘惑の多いこの文明社会では、なかなかうまく活用できない、というのが正直なところでもあります。
今回は、過去に爆発的人気となった朝食抜きダイエットが、最近否定され始め、「むしろ太ってしまった!」という体験者が後を絶たない理由をみていきましょう。
目次
朝食抜きダイエットが大流行した理由
まずは、朝食抜きダイエットが一体どういうものなのか?朝食抜きダイエットが大流行した背景のおさらいです。
そもそも朝食抜きダイエットってどういうもの?

朝食で固形物を一切食べずに、お水や温かい飲み物を飲む方法から、果物や酵素ジュースなど多少栄養価のある液体を飲む方法などがあります。本来朝食で摂取しているカロリーを1食分カットすることで、「総摂取カロリー<総消費カロリー」を叶えていく方法です。
朝食抜きダイエットでアンチエイジングが可能
社会の発展とともに、食事の内容も昔と今とでは大きく変わりました。食の欧米化とともに、日本人の病気や肥満も増え、現代人は食べ過ぎ傾向にあります。食べ過ぎがなぜいけないのかというと、胃腸をフルに動かし続けたり、消化のために消化液を分泌したり、血糖値変動のためにホルモンを分泌したりと、常に内蔵を酷使続けることで、体が疲弊し老化へのスピードが早まるからです。

科学の進歩によって、アンチエイジング遺伝子といわれている「サーチュイン遺伝子」の発見も、朝食抜きダイエットの火付け役となりました。サーチュイン遺伝子が活性化すると、若返り効果や寿命の延長があるとされ、サーチュイン遺伝子の活性化には空腹やカロリー制限が必要ということから、一気に朝食抜きダイエットや、1日2食健康法、1日1食健康法も大流行しましたね。
朝食抜きダイエットで太る理由
基礎代謝の低下につながる
1食食事を抜くということは、単純に考えると「摂取カロリー」が減るという印象を持ちやすいですが、それだけではなく、実は基礎代謝の低下にもつながるということをご存知でしょうか。
私達の体は、細胞の連なりで形成されています。その細胞は、栄養を取り入れることで活性化し、代謝活動をしています。そこに食事を抜いて、必要な栄養が取り込まれないということは、代謝活動が十分に機能しないということなのです。
もちろん、現代人は日常的に食べ過ぎ傾向にあるため、1食くらい抜いて胃腸休めをすることは大きな意義を持ちます。しかし、それは、他の食事の時に、必要な栄養が確保できているという条件が揃っている場合に限るでしょう。
朝食も抜いておきながら、ランチはカフェでサンドイッチとカフェオレ、夕食はコンビニ弁当、という内容では、確実に栄養不足の原因になります。
慢性的な栄養不足は、確実に基礎代謝の低下を招き、結果、摂取カロリーが少なくても、消費カロリー自体を下げてしまうので、いつの間にか痩せない体になってしまい、さらに摂取カロリーを下げる、という悪循環を引き起こすのです。
朝食抜きダイエットや食事制限を繰り返していて、「最近、食べる量を増やしたわけではないのに痩せなくなってきた」という方は、基礎代謝の低下を招いている証拠ですので注意が必要です。
食事誘導性熱産生が発生しない
私達の消費エネルギーは、大きくわけて3つに分類されます。
- 基礎代謝
- 生活活動代謝
- 食事誘導性熱産生
食事をするだけで、食事誘導性熱産生というエネルギー消費が発生します。固形物を食べると、それを粥状に消化し、さらに体に吸収しやすい栄養素の大きさにまで分解する際に、体は活動をしています。その際に発生するのがこの食事誘導性熱産生です。
つまり、食事をすると、エネルギー消費が起きるということ。全体の消費エネルギーのうち、割合としてわずか10%の消費エネルギーではありますが、食べなければ発生しない消費エネルギーです。
食事をすると、体がポカポカするのは、この消費エネルギーのおかげでもあるのです。
ただし、この時に何を食べてもいいわけではありません。もちろん、体にとって栄養となるものを食べることが前提です。
反動で結局食べ過ぎる

朝は忙しいので、そもそも食べる時間がない人も多いので、朝食抜きダイエットをするにはさほど大きな覚悟はいりません。むしろ、自然と朝食抜きダイエットになってしまっている、という方もいるでしょう。
しかし、朝から活動をしていると、エネルギーは消費しているのでどうしてもお腹が減ります。そこで、空いている時間に間食をしてしまったり、お昼の時間に空腹過ぎて食べ過ぎてしまったりします。特にランチタイムは、手軽に購入できるハイカロリーなお弁当だったり、炭水化物メインの丼ものなどが多くなりますが、「朝抜いているし・・」と言って、満腹になるまで食べてしまい、結果、摂取カロリーがオーバーしてしまうのです。
結局、朝食は食べた方がいいの?
結論から言うと、どちらにもメリット・デメリットがあります。
歴史的にみると、昔は1日1食だったり1日2食が当たり前で、その時代から比べると、現代人は「食べ過ぎ」と言われてしまうのも無理はありません。しかし、時代やライフスタイルに合わせた変化を受け入れることも必要です。
昔は、食べ物は貴重で、食べ物の保存もできずその日暮らしであった背景があるために、1日1食であった、と捉えることもできます。しかし現代は、食べ物がどこでも簡単に手に入るため、食への欲求は高まるばかり。「食べ物がないから食べない」のと「食べ物が目の前にあるのに我慢をする」のとでは捉え方が変わっていきます。つまり、食べ物が目の前にあるのであれば、食欲という欲求に従って、「食べる」という選択をし、しかしながらも「体の負担にならないよう、いい食事を心がける」ということが大事なのではないでしょうか。
「朝食を食べない派」がすべきこと
- 反動になるような我慢をしていないか確認する
- 朝抜いている分、昼の食事内容を意識し、食べ過ぎに注意する
- 昼、夜でしっかり栄養確保をする
「朝食を食べる派」がすべきこと
- 負担になるような食事をしない
- 栄養のある食事を心がける
まとめ
あなたは、朝食を食べる派でしょうか。それとも食べない派でしょうか。
ぜひ、テレビや雑誌の偏った情報だけで判断するのではなく、ライフスタイル、家族構成、自分の性質をよく見極めていけるといいですね。